登戸
生まれて初めて事件現場に行った。
お花が手向けられている場所に着く手前のところで朝ニュースで見ていた景色が見えて、心がこんなにも重くなったのは初めてだった。
お花を買いたかったけど時間がなかったから何も持たずに行ったら現場はたくさんのお花と飲み物で溢れていた。それから報道陣も。
現場に着いた途端、本当に途端に雨が降り出して余計に気持ちが沈んだ。
朝のニュースでしきりに映り込んでいたファミマで飲み物を買おうと思った。
亡くなったのは子供だけではないけど大人も子供も好きそうな飲み物はなんだろう数十秒悩んだ結果ミックスジュースを買った。
でも今考えたらミックスジュースって全然大人は飲まないのかもしれない。とても後悔してる。
とにかくそのミックスジュースを置いて目をつむり手を合わせていた。
でもフラッシュの音がかなりうるさくて全然お祈りに集中できなかった。
目を開けたらなんとわたしが撮られていたのだ。すごく嫌な気分になった。
報道の在り方についても最近よく考えさせられる。
わたしは今朝からとても悲しい気持ちになっているけれど被害者と遺族の悲しみを想像するだけでわたしのかなしみはちっぽけに感じてしまう。想像を絶するものなのだろう。
親友が「なんかベタだけどわたしにできることってなんだろうって考えちゃう」って言ってた。本当にわかると思った。
でも数ヶ月後のわたしは友達とどうでもいいことで大笑いしたりしたり、夜遊びしたり、部屋を片しなさいと母に怒られたりして何も変わってないのだろうなとも思った。
本当に、わたしにできることってなんだろう。