チーズパン
天気がいい日は決まって帰りたくなる。
悪い日でも帰りたくなるのだから当然だろう。
窓側の後ろから2番目の席。
窓もカーテンも閉まっているけれど陽の暖かさはこれでもかというほど漏れてくる。
太陽の威力はよく考えたらすごいものだと思う。
こんなことを書いてたら前の席の人が窓を開け始めた。
わたしは太陽を利用してあわよくば購買で買ったパンを温めようと企んでいたことを思い出した。窓のサッシにパンが置いてあるのだ。
「もし彼がこの窓を勢いよく引いてしまったのなら私のパンがブシャッとなってしまう。そんなことはさせまい。ブシャッとしたパンほど悲しいものは無いと思う。ブシャッとしたパンを食べてたまるか。」
文字に起こすとこんなに長いが私はこの思考に至るまでわずか0.3秒だったような気がする。推定だ。
い!ゃゎたしのパン。。
焦ってしまって大きな声を出したが瞬時に教室が静かなことを考慮した結果
「い」だけ大音量で「や私のパン」に向かうにつれてフェードアウトするような言い方になってしまった。恥ずかしい。
内緒でパンを温めていたことも恥ずかしい。
天気がいい日は決まって帰りたくなる。